認知症の種類、症状、ケアー

2018年07月02日(月)

 相談ではご本人だけでなくご家族の老後の暮らしなどについて、経済面だけでなく、認知症など健康面に話が及ぶこともしばしばです。ご家族の介護をされた方はよくご存じでしょうが相談、これから対応という場合はまず、認知症や身体的な機能の低下などについて知るところから始めなければなりません。

 認知症は、アルツハイマー型認知症、脳血管性認知症,レピー小体型認知症、前頭側頭型認知症などに分類され、多くの認知症には、記憶障害、判断力の障害や見当識の障害などがあります。介護の困難さをもたらすのは幻視、妄想、不安、焦燥、抑うつ、睡眠障害、徘徊、排せつ障害、暴言暴力、過食・異食などの行動や心理症状です。

 記憶障害は、何らかのヒントで忘れたことを思い出す加齢に伴う物忘れとは違い、体験そのものを忘れてしまいます。そのため本人は思い出せない記憶を何とかつなぎ合わせ辻褄を合わせたストーリーを作り上げますが、事実とは異なるため周囲からは受け入れてもらえず、トラブルの原因となってしまいます。接する際には、こうした症状の特質を理解し、本人の記憶がないことへの不安、驚き、おそれなどの感情を受け止めて、認知症の人のプライドを傷つけない対応が必要となります。

 見当識障害は「今日は何月何日か」「今どこにいるのか」など時間や場所、人物がわからなくなる障害で、予定に合わせて準備することが難しくなり、方向感覚が失われ、周囲の人との関係がわからなくなってきます。接する際にはこちらから先に名札を示すなどして認知症の人が、誰だかわからなくなっていることに気づかないふりをする配慮などが大切になります。

 理解・判断力の低下は本人も周囲もなかなか気づかない場合もあります。このため「何度も説明したのに」とか周囲が怒りの感情を持ちやすく、何度も念押しを重ねたりするケースもありますが本人は混乱して、ますますわからなくなってしまいます。このため一度に伝えることは一つにし、長い説明をしないなどの配慮が必要になります。

 介護を難しくする心理症状としては妄想、幻視、抑うつ、自発性の低下、行動症状としては徘徊、などがありますが、これらに対応するためにはご本人とご家族など親しい人々から、病気になる前の本人の生活体験や家族関係、人間関係の歴史などを聞くことも心理的状況を洞察するうえで有効です。脳血管障害など身体的な要因とケアなどの環境要因を合わせて対応を検討してゆく必要があります。また、脳アルツハイマー型の認知症には身体的、社会的、精神的な活動性が脳の活性化に繋がると考えられており、活動性を高める支援が求められています。

 身体の機能障害については、自立した生活を維持するためのADL(人間が毎日の生活を送るための基本的動作)は身体的ADL(食事、入浴、排せつ、衣服の着脱など)と手段的ADL(乗り物での移動、買い物、家事能力、預貯金の管理、書類整理)に分けられますが、特に75歳以上の後期高齢期に問題が生じることが多くなります。これらの障害についてご本人は苛立ち、不安を感じ、世話をされることへの羞恥、などの感情を抱いているため、そうした心情を理解した上での対応が必要となります。 

 一方、家族の多くはクライエントが認知症だと宣告された時、驚き、悲しみ、多くは否定しようとします。認知症を認めるまでの過程では喪失感を感じたり、傷つき、疲労し、抑うつ状態になったりするケースが多いようです。このような傾向がある事も理解して周囲が高齢者や家族を支えてゆく意識も大切です。介護する家族は自分の時間が持てない、外出できないなどの負担や、経済的な負担に加え、自分も病気になるなど様々な問題も抱えます。ファイナンシャルプランナーもこうした問題への対応力や、社会福祉士など専門家と連携してサービスを提供する能力が求められています              

 

              ファイナンシャルプランナー 福本芳朗

 

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