人生100年時代を生き抜くには             

2018年07月04日(水)

 世界を俯瞰すると人口過剰はいまだ食糧難などを招く地球規模の課題ですが、先進諸国では少子高齢化や人口減少が進んでいます。ご存知のように、中でも日本は少子高齢化が特に進んでいるため経済、社会問題が生じ、ほとんどすべての分野で今後の最大の課題となっています。

 日本の人口の変化を見てみると、日本の総人口のピークは2008年の1億2808万人でしたが以降減少に転じています。減少の速度は徐々に加速する見通しで2048年には1億人を割り込み2057年には9000万人前後、現在の人口の約7割にまで減少すると見込まれています。年齢構成から見ると、第二次大戦以前は各年齢で人口が増加していましたが、年少人口(15歳未満)は1980年代に入ってから減少に転じ、生産年齢(15~64)は1995年から減少に転じています。人口が減っている最大の原因は出生率の低下で、年齢構成が高齢化しているのは出生率低下に加え平均寿命が延びているためです。

 戦後の第一次ベビーブームでは一人の女性が平均4.5人の子供を産んでいましたが1950年代には約2人に低下、1975年には2人を下回り今日では1.4前後の水準となっているのはご存知の通りです。このペースが続くと子供世代の人口が親の世代の68%にまで減少するマイナスの人口再生産が繰り返されることになります。人口の減少はデフレの原因、労働力不足、ひいては社会福祉にも資金不足、労働力不足という形で大きな影響を及ぼすと予想されています。

 

 平均寿命は延び続けています。1947年には同世代の男性は60歳ころまでに半数に減り、女性は65歳くらいまでに半減するという死亡状況でした。現在では同世代が半数になるのは男性で80歳代前半、女性ではほぼ90歳となっています。戦後、医療衛生面などの進歩により乳児死亡率が急速に減少したのが大きな要因ですが、近年では高い年齢における死亡率低下が寿命を延ばしています。

 

 2014年度の社会保障給付費は約117兆円、対GDP比約24%です。部門別の社会保障給付費は年金が49 %、医療が32%、福祉そのほかが19%となっています。社会保障給付費の機能別分類では、高齢が47 %、保健医療が33%。一方、国の一般会計予算を見てみると社会保障が33.3%と一番多くなっていますが、国の借金国債費(その償還と利払い)が24%と4分の1近くにまで達しています。

 国の借金がGDPの200%以上という厳しい国家財政のもと、福祉国家には限界があり効率性や資源の適正な配分が求められる一方、ボランティアなど人々の参加が不可欠とも指摘されています。政策的には少子化に歯止めをかける女性対策や貧困対策の強化などが求められていますが、一人一人が年金の減少や社会福祉サービスの後退の可能性も視野に入れた人生設計が必要となってきています。これまでは、計画性があまりなくても何とか乗り切れましたが、人生100年時代はライフプランニングをしっかり行わないとすぐそこに破綻がある厳しい時代なのかもしれません

ファイナンシャルプランナー

一般社団法人 くらしの資産設計支援機 代表理事

福本芳朗

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